本コラムは、子どもの学習行動を、特性(Character)、動機(Motive)、行動(Action)、目標(Goal)の4局面に分けて分析し、主に学習が苦手な子どもに対する考え方をまとめたものです。

まずは、概略をお読みいただき、どのようなことをお話したいのかをご理解いただければ幸いです。
【CONTENTS・1】

特性(Character)の局面では、学業成績に好影響を及ぼす特性について検討します。
組織体の場合、発生する問題を根本的に解決する場合に、組織体質の見直しが行われます。同様に、個人についても、同じ問題を繰り返さないようにするためには、個人の特性に切り込まなければならないのです。

1.学校や塾はやる気がでる環境か-学習環境の特性Ⅰ
2.子どもが主体になっているか-学習環境の特性Ⅱ
3.人に助けを求めることができるか-個人的特性Ⅰ
4.素直である-個人的特性Ⅱ

■図表1 自立学習の中の自律学習
■図表2 他律的特性と自律的特性

≪研究課題≫

・勉強をやろうという姿勢がみられないことが、猛烈に頭にくる。
・子どもが、塾の長時間の授業を嫌がる。
・有名な進学塾に通っていれば、有名校に入れるようになると思っていた。

【CONTENTS・2】
動機(Motive)の局面では、さまざまある学習動機のうち、学習を持続的なものにする動機付けに焦点を当てて、子どもが「予習→授業→復習・テスト」というサイクルを身につけるための土台作りについて検討します。
人に言われて勉強するのではなく、自分から勉強できるようになれるように支援するのが目的です。

5.褒められなくても勉強することそのものが楽しい

■図表3 外発的動機付けから内発的動機づけへ
■図表4 動機づけと自律性

≪研究課題≫
・叱られたときは神妙だが、翌日にはケロッとしている。
・時間をかけて勉強しているのに、重要なところが頭に残っておらず、成績に反映しない。
・問題点がでてきてはたたき、また問題が生じればたたく、もぐら叩きのような状態が続いている。
・ある学校の過去問を解いてみて出来が悪いと、子どもが「別の学校の過去問を解いてみる」と言う。こうして、過去問が増え続ける。

【CONTENTS・3】
行動(Action)の局面では、実際の学習行動について、行動前段階、行動段階、行動後段階の3段階に分けて、効率的で生産的なものとなるような支援方法について検討します。

6.あいさつをしっかりすることができる
7.すぐに勉強にとりかかることができる
8.宿題をきちんとやる
9.間違いを指摘されても動揺しない
10.わからなそうなところは予習する
11.ノートを見て学習した内容をふり返ることができる
12.勉強のやり方をチェックしてくれる人がいる
13.暗記するための工夫をしている
14.人に聞く前にもう一度自分で考える
15.約束したらやる
16.自分の勉強の進み具合が分かっている

■図表5 ワイナーの原因帰属理論

≪研究課題≫
・勉強に取りかかるまでに時間がかかるし、集中力もすぐなくす。
・「なんで順位が上がらないの」と子どもに聞くと、「だって~」と他人のせいにしたり、「成績は前よりよくなったよ」と言ったり、「他にも順位が低い人もいる」などと言う。なぜ、「今度は絶対上げてみせる」とは言わないのか。
・入試の過去問題を10月に1回やったところ、半分とれた。同じ問題を翌年の1月にやらせたところ、同じ点数しか取れなかった。この数か月でまったく進歩がないのかと思い、愕然とした。
・成績が下がっても、親が立てたスケジュールをこなすわけでもなく、ゲームやマンガばかりやる。

【CONTENTS・4】

目標(Goal)の局面では、目標が子ども自身の意志から出るようにするための支援方法について検討します。
目標が大人の押しつけであったり、借り物であったり、根性の賜物であったりすると、子どもにバイタリティは生まれないものです。子どもたちに、心から目標と呼べるものをつかませる方法を探りましょう。

17.親の意見を気にせず自分希望をはっきり言うことができる
18.あきらめずにコツコツやれば報われると思っている

■図表6 目標を変えるか自分を変えるか
■図表7 自分を変える人VS目標を変える人

≪研究課題≫
・いつも反抗する息子に、つい「お前は負け犬だ」などとダメージを与えるようなことを言ってしまい、自己嫌悪に陥ることがある。
・有名な進学塾に通っているだけで優秀だと思われてしまうので、今さら無名な学校には入学させられない。
・小4から大手塾に通わせて家庭教師までつけて子どもも必死でやってきたが、合格したのは第4志望の学校。本人は納得しているようだが、親としては悔しくて悲しくて気が狂いそうになる。
・志望校に合格できなかった子どもを見ると、発狂して殴りそうな衝動にかられてしまう。
・子どもに「宿題をやったの」と聞くと、「やった」と言う。「じゃあ、見せてごらん」と聞くと、宿題を無くしたとか、探すふりをする。このときは、裏切られた気持ちだ。
・両親が共働きなのに、自分から勉強しようとしない。
・体を壊したので塾を休ませたが、内心では塾についていけるかどうか心配になる。
・塾でのクラスが下がるともう二度と元のクラスに戻れないのではないかとか、反対に、上位クラスにいればクラスが下がるのではないかと、親のほうが、気が気ではない。