子どもを褒めて育てましょう、とよく言われます。さて、その効果はいかがでしょうか。ためしに、宿題をきちんとやったお子さんを褒めた状況を想像してみましょう。「宿題をしてえらいわね」と言われたお子さんは「ニッコリ」。するとどうでしょう、お子さんは次の日も宿題をやるようになりました。見事、おだて作戦成功、のようにみえます。

しかし、落とし穴はここからです。褒められたお子さんは、もっと褒めてもらおうとします。もっと褒めてもらうには、できたことを差し出さなければなりません。つまり、できることだけをやるようになります。これが小学校低学年までの学習内容であれば、問題はありません。小学校中学年くらいから学習内容が難しくなり、できないことも多くなります。すると、褒めてもらいたくても褒めてもらえない、もう褒めてもらわなくていい、ということになりかねません。褒めれば子どもが質的に成長する、というわけにはいきません。せいぜい、褒めれば同じ行動を繰り返すようになるだけ。「子どもを褒めて育てる」というのは学習内容が難しくなってくると通用しにくくなるのです。

pic2-01

では、学習内容が難しくなってきてもついていけるようにするにはどうすればよいか。最も好ましいのは、褒められなくても勉強することそのものが楽しい、もっと知りたい、もっとできるようになりたい、と子ども自身が思えることですね。そのように思えれば、難しいことにも立ち向かっていける。

もともとだれにでも好奇心はあるのですが、競争させられたり比較されたりすると、好奇心を発揮する余裕がなくなってきます。そして、授業についていくのが困難である(レベルが合わない)とか、授業がつまらない(授業の進めかたが自分に合わない)といった理由で、勉強嫌いな子どもがでてきます。ただ、勉強嫌いを克服した子どもはたくさんいます。初めから勉強が楽しいわけではなく、だれでも勉強を嫌いに感じることがあります。しかし、それを克服して勉強が楽しくなるのですね。

例えば、予習すれば学校で学ぶときに簡単に感じたり、繰り返して解くと早く解けるようになったり、間違い直しをするとミスが減ったり、あることに納得するともっと知りたいと思う、というような経験をすると、勉強嫌いを乗り越えるきっかけになります。

pic2-02-2